ダンゴムシとワラジムシの違いと関係

2017.07.01

ダンゴムシとよく似ているワラジムシについて、その違いや特徴について解説しています。また、ワラジムシの赤ちゃんや食べ物なども紹介しています。

ワラジムシとは

ワラジムシ
ワラジムシ

ワラジムシとはダンゴムシと同じ等脚目に属する生き物です。ダンゴムシは等脚目オカダンゴムシ科、ワラジムシは等脚目ワラジムシ科です。

ダンゴムシとワラジムシは親戚のように近い関係で、見た目も生態もかなり似通っているため、パッと見ではなかなか区別するのは難しいかもしれません。名付け方も似ています。団子みたいだらかダンゴムシ、草鞋みたいだからワラジムシ。

どちらかというとダンゴムシの方が有名なので「ダンゴムシに似てるやつ」とか「ダンゴムシの丸まらないやつ」などと呼ばれるくらいそっくりですが、ワラジムシといいます。

ワラジムシの観察

ダンゴムシとワラジムシの顔の比較
ダンゴムシとワラジムシの顔の比較
(左:オカダンゴムシ/右:ワラジムシ)
ワラジムシの脚
ワラジムシの脚

顔を観察すると個人的には(ダンゴムシもつり目ですが)ワラジムシの方がよりキツい印象を受けます。

背中の質感もダンゴムシのようなテカりはなくボツボツしていて鎧っぽさに欠け、防御力が低そうです(すばやさは上ですが)

色はダンゴムシは青味のある灰色で、写真のワラジムシは茶色っぽいですが、種類によってはダンゴムシのような灰色のワラジムシもいます。

ワラジムシの脚は白っぽくて柔らかそうで、少しだけ毛が生えています。そして何より非常にせかせか動きます。裏返すと脚をバタバタさせるのですがまるでプロペラが当たっているかのような音をたてていました。

ワラジムシはダンゴムシよりも体が細くしなやかでやわらかく、そして脚が白く毛が薄い。これだけで考えるとダンゴムシは「男性」、ワラジムシは「女性」というイメージでしょうか。

ダンゴムシの詳しい体の構造や写真は「ダンゴムシの構造&体のつくりを徹底解剖」をご覧ください。

ワラジムシの子ども

ワラジムシの子ども
生まれたてのワラジムシ

ワラジムシもダンゴムシと同じように、親のお腹に卵として抱えられて過ごし、孵化と共にお腹を破って出てきます。生まれたてのワラジムシは真っ白で透明感があり、体長は2mmほどです。パッと見ではダンゴムシと区別は付かないくらい似ていますが、ダンゴムシの赤ちゃんより素早く動き、また触角の曲がり具合が微妙に違うように思います。

ワラジムシの食べ物

きゅうりを食べるワラジムシ
きゅうりを食べるワラジムシ

ワラジムシの食べ物はダンゴムシと比べるとほぼ同様で、ダンゴムシが食べればワラジムシも食べるといった感じかと思います。朽ちた枯れ葉や苔、また飼育下ではきゅうりやにんじんなどをよく食べます。ちなみにダンゴムシのえさは「ダンゴムシの食べ物。定番のえさとランキングとおすすめ」をご覧ください。

ダンゴムシとワラジムシの違い

ダンゴムシとワラジムシのおしりの比較
ダンゴムシとワラジムシのおしりの比較
(左:オカダンゴムシ/右:ワラジムシ)
  • 動きが素早い
  • 突っついても丸まらない
  • 平たい
  • おしりが違う

一番かんたんな見分け方は動き方を見ることです。ワラジムシの方がダンゴムシよりも素早く動きます。たとえば植木鉢を持ち上げたときにワラジムシとダンゴムシがいた場合、すぐ逃げてしまうのがワラジムシで、逃げ遅れるのがダンゴムシです。

またワラジムシはダンゴムシと違い丸まることができませんし、体がダンゴムシよりも平たいつくりになっているのでけっこう反り返ることが可能です。ダンゴムシは無理に反ると折れてしまいそうです。

画像のようにおしりの尾肢もダンゴムシより発達していて見た目で区別しやすいです。

ダンゴムシとワラジムシの進化

海に棲む甲殻類の一部が陸に適応するようになったのが(ダンゴムシなどの)等脚類であると考えられています。

進化の過程としては、まず陸に適応し海岸付近で生きていけるようになったのがフナムシであり、さらに内陸へ適応したのがワラジムシ、そしてダンゴムシであると考えられています。

海に住んでいた甲殻類として、陸に適応するにあたり重要なのが水分の確保です。陸棲である等脚類は集合ホルモンを分泌するとされていますが、海に棲む甲殻類は分泌しないとされています。このことから、集合することは水分の蒸発を防ぐ役割があるのではないかと考えられています。

またフナムシ・ワラジムシ・ダンゴムシの3者では外骨格のつくりや生理的な調整機能の違いから、ダンゴムシが一番内陸に対する適応力が強いとされています。

この三者で異なるのは外骨格の硬さのほかにスピードが挙げられます。一番やわらかいとされるフナムシが一番素早く、一番硬いとされるダンゴムシが一番のろいわけです。これらを踏まえて、自然淘汰や進化というのがどういうものなのか考えてみるのもおもしろいかもしれません。