ダンゴムシの分類は?何科?何属?何類?

地球にはたくさんの生き物がいます。人間の好奇心・探究心によってそれらの生き物を調べようとするとき、種類分けすると便利になります。

今から2000年以上前の科学者である有名なアリストテレスも、生き物の分類を試みていたようです。現代ではさらに調査が進み「分類学」と呼べるほどにこの分野は進歩しました。

ダンゴムシは生物学的にはどのような位置付けなのでしょうか。ダンゴムシがどう分類されているのか、詳しくみていきたいと思います。

何科?何属?何類?

わたしたちがふだん目にするいわゆるダンゴムシの正式名称は「ダンゴムシの正式名称と外国での呼び名」でも紹介していますが、実はオカダンゴムシといいます。

オカダンゴムシの分類

オカダンゴムシは、動物界 > 節足動物門 > 軟甲綱 > 等脚目(ワラジムシ目) > オカダンゴムシ科 > オカダンゴムシ属 > オカダンゴムシに分類されていて、大まかな分類では甲殻類に分けられています。

分類のイラスト
分類のイラスト

ダンゴムシ類

日本でダンゴムシといえば一般的にはオカダンゴムシ科に属するオカダンゴムシを指しますが、等脚目にはほかにもコシビロダンゴムシ科とハマダンゴムシ科が存在し、これらを含む3グループに属する生き物たちが広い意味でのダンゴムシといえるでしょう。

詳しくは「日本のダンゴムシの種類は3グループ25種類」をご覧ください。

分類法

生物の分類では、まず大まかに分けてから、だんだんと細かく分けていこうという分類法が主流となっています。

分類は住所と似ている

生物の分類はよく住所に例えられます。住所のように、地球 > 日本 > 東京都 > 新宿区、というふうに細かく分けていくのと同じ原理なのです。

さらに、生物の分類法はひとつではありません。もっと細かく分類したり、別の側面から分類したりもします。例えば甲殻類や昆虫類といったような、曖昧で一般的に使いやすい分類法も使われています。住所の例だと東日本、西日本に分けたり、関東や関西などに分けたりするようなものです。

もっと細かい分類

ここで説明している分類法では、生物は基本的に、界、門、綱、目、科、属という順に分類されていきますが、さらに細かい分類が必要な場合には、たとえば亜門や上目などのように、補助的に亜や上などを付けて分類されています。

オカダンゴムシの場合でいえば、軟甲綱は節足動物門の甲殻亜門に分類され、さらに等脚目は軟甲綱の真軟甲亜綱のフクロエビ上目というサブグループに分類されている、といった具合です。

生物全体から、末端のオカダンゴムシという種まで、どんな生き物がいるのか、わたしたちヒトと比較しながらその分類を追っていきたいと思います。

ダンゴムシとヒト

生物を大まかに分けるとき、動物と植物(それぞれ動物界、植物界という)に分けるのはあまり難しくありませんが、その他の細菌類などをどう分類するか、歴史的にかなりの移り変わりがあったようです。Wikipediaを見ると二界説から始まり三界説や四界説、八界説や修正六界説などの説があったようですが、ヒトもダンゴムシも動物界なのでここでは詳しくは紹介しません。

ダンゴムシは節足動物門に分類され、ヒトは脊索動物門というグループに分類されます。動物界の下には他にもあらゆる門が存在しています。

ヒトとダンゴムシはこの段階でさっそく分けられていますが、これは生物学的にはかなり異なった生き物で、極端にいうと共通点は動物である点だけ、ということになります。

節足動物門

ダンゴムシの属する節足動物門とは、ヒトの皮膚などのように柔らかい表面を持たず、硬い殻の表面を持ち、関節で可動する生き物のグループです。カブトムシを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

脊索動物門

一方ヒトの属する脊索動物門とは、脊索(神経系の誘導に関わる棒状の部位で、ヒトの場合は脊椎)を持つ生き物のグループです。

また、この階級では特にヒトを区別するときに脊椎動物と無脊椎動物といった分類もされます(ヒトは脊椎動物、ダンゴムシは無脊椎動物)

ほかの門

この階級には他にクラゲなどの刺胞動物門、イカやタコ、貝などの軟体動物門、ミミズなどの環形動物門などが存在します。ヒトとダンゴムシは、貝とミミズくらい違うということです。

次の段階でダンゴムシは軟甲綱(エビ綱)、ヒトは哺乳綱に分類されます。

軟甲綱

節足動物門には軟甲綱のほか、昆虫綱、クモ綱、ムカデ綱などが存在し、ダンゴムシはこの段階で昆虫類から逸れて甲殻類に入ることになります。昆虫は六脚、クモは八脚、ムカデはたくさん、というように、この階級では脚の数が分類の目安になります。

哺乳綱

一方でヒトの属する脊索動物門には、哺乳綱のほかに爬虫綱、両生綱、鳥綱、条鰭綱などが存在します。哺乳綱はその字の通り、子どもに乳を与えて育てるという特徴をもったグループで、親の体内である程度大きくなってから体外に出るといった繁殖を行い、これを胎生と呼びます。

一方、脊索動物門のほかのグループや、ダンゴムシを含む脊索動物門以外の生き物のほとんどは、卵生といって卵を体外に産んで繁殖します。なお、ダンゴムシなどの育房内は体外と見なされます。

ダンゴムシは等脚目(ワラジムシ目)、ヒトは霊長目に分類されます。

等脚目

軟甲綱には等脚目のほかに、十脚目(エビなど)や口脚目(シャコなど)などが存在し、ここでダンゴムシはメジャーな甲殻類と分かれることになります。

霊長目

哺乳綱には霊長目のほかに、食肉目(ネコやイヌ)や奇蹄目(ウマやサイ)、齧歯目(リスやネズミ)などが存在します。

霊長目は大脳が発達していて、指をほかの動物よりも器用に使えるなどの特徴を持っていて、ヒトはこの階級でほかのいわゆる動物と一線を画することになります。

(オカ)ダンゴムシはオカダンゴムシ科、ヒトはヒト科に分類されます。ダンゴムシはダンゴムシ類として、ほかにコシビロダンゴムシ科とハマダンゴムシ科が存在します。

オカダンゴムシ科

ダンゴムシ類のほかに、ワラジムシ科、フナムシ科などが存在します。ここまで来ると、見た目は多少違くても生物学的には親戚扱いといって良いでしょう。

ヒト科

霊長目にはヒト科のほかに、ニホンザルなどが属するオナガザル科や、アイアイが属するアイアイ科、ウアカリなどが属するオマキザル科などが存在します。

ヒト科にはオラウータンやゴリラ、チンパンジーなどが属しています。また、われわれホモ・サピエンスである新人のほかにも、旧人であるネアンデルタール人や、原人のホモ・エレクトス、猿人のアウストラロピテクスなども含まれています。