ダンゴムシの一生を追う

生まれたばかりのダンゴムシの赤ちゃんを隔離して、観察して記録しています。やはりどうしても少しずつ亡くなっていってしまうのでなかなか難しいですが、このページでは生後1年間を追跡中です。

ダンゴムシ誕生

6月頃、ダンゴムシの赤ちゃんが誕生しました。ダンゴムシの一生の始まりです。

ダンゴムシの卵

母親のお腹から出てくるダンゴムシの赤ちゃんたち
母親のお腹から出てくるダンゴムシの赤ちゃんたち

ダンゴムシの卵は、生まれるまでは母親ダンゴムシのお腹にある保育嚢に抱えられています。しばらくして孵化するとダンゴムシの赤ちゃんたちは保育嚢を破ってワラワラと出てきます。

ダンゴムシの赤ちゃん誕生の様子は、あたかも母親のお腹を食い破って出てくるように見えますが、母親は産み終えると意外にもケロッとしていて、いつも通りウロウロとしてどこかへ行ってしまいました。

誕生直後

ダンゴムシの赤ちゃんは体長2mmほど
ダンゴムシの赤ちゃんは体長2mmほど

母親のお腹の育房から出てきたばかりのダンゴムシの幼虫です。

まだ何も食べていないためか体全体が白いです。体長は触角を含めても2mmに満たないほど小さく、脚もまだ6対12本しかありません(後に7対14本になる)

小さいながらもある程度の硬さはあって、成虫のように丸まることもできます。

数時間後

ダンゴムシの赤ちゃんの脱皮(茶色いのはただの土)
ダンゴムシの赤ちゃんの脱皮(茶色いのはただの土)
ダンゴムシの赤ちゃんの抜け殻
ダンゴムシの赤ちゃんの抜け殻(1円玉と)

生まれたてのダンゴムシの赤ちゃんには、脱皮という厳しい試練が待っています。

お腹から出てきてしばらくすると、下半身の脱皮を開始しました。その後上半身も無事に脱皮しました。脱皮ラッシュのようでケースには抜け殻がたくさん散乱していました。子どもでも脱皮の殻は食べると思うので、撮影後はキチンと戻しておきました。

誕生後1ヶ月まで

続いて、ダンゴムシ誕生後1ヶ月の記録を見ていきましょう。

約10日後

ダンゴムシの赤ちゃん(10日後)脚はまだ6対。
ダンゴムシの赤ちゃん(10日後)脚はまだ6対。

ダンゴムシ誕生後、約10日です。大きさはほとんど変わりません。

さっそく何か食べたのでしょう、消化管にしっかりと食べ物が詰まっていて黒く見えます。赤ちゃんでもエサはしっかり食べます。以前きゅうりをあげたらすごい勢いで食べていました。その時の記録は「ダンゴムシうじゃうじゃ閲覧注意のきゅうり」をご覧ください。

体の色はまだ真っ白で、脚の数もまだ6対12本のようです。

約15日後

上の10日後の赤ちゃんとは違う個体だとは思いますが、およそ15日後のダンゴムシの赤ちゃんです。

ダンゴムシの赤ちゃん(15日後)脚が増えている。
ダンゴムシの赤ちゃん(15日後)脚が増えている。

脚が増えているのでたぶんまた脱皮したのだと思います。7対14本に増えて、晴れて大人の仲間入りです。体長も2mmを超えました。

約20日後

約20日後のダンゴムシです。なんとな〜く黒ずんできたようで、色付いてきました。

ダンゴムシの赤ちゃん(20日後)黒くなってきた。
ダンゴムシの赤ちゃん(20日後)黒くなってきた。

ちなみにえさはきゅうりをメインに与えています。下のきゅうりにダンゴムシが隠れています。どこにいるかわかりますか?

ダンゴムシの赤ちゃんのえさのきゅうり
ダンゴムシの赤ちゃんのえさのきゅうり
ダンゴムシの赤ちゃんのえさのきゅうりの拡大図
ダンゴムシの赤ちゃんのえさのきゅうりの拡大図

下の穴の中に潜んでいました。前もそうでしたが、ダンゴムシの赤ちゃんはきゅうりを掘っていくように食べるようです。これ、一匹で掘ったとしたら、すごい食欲ですよね。自分の体積以上食べてます。ちなみに2〜3日置いといたきゅうりです。

約1ヶ月(30日)後

ダンゴムシの赤ちゃん(約30日後)
ダンゴムシの赤ちゃん(約30日後)

約1ヶ月後です。触角を入れると4mmに届きそうなくらいにまで成長しました。背甲の色も濃くなってきて、模様らしきものも出始めました。大きくなった分、移動スピードも結構速くなったように見えます。

誕生後2ヶ月目〜半年まで

続いて、ダンゴムシ誕生後2ヶ月目から6ヶ月までの観察記録です。この時期に、家系図が大変動するような出来事が起こりました。

約2ヶ月(60日)後

ダンゴムシ(生後60日)
生後2ヶ月のダンゴムシ

ダンゴムシが生まれてから約2ヶ月が経過しました。(別の個体だと思いますが)先月よりも一回り大きくなりました。人間でいったら3歳くらいでしょうか。もう赤ちゃんというよりは子どもといえるくらいに成長しました。お腹の白体も目立ってきました。しかし、オスかメスかの判断はまだ難しそうです。

約3ヶ月(90日)後

ダンゴムシ(生後90日)
生後3ヶ月のダンゴムシ

ダンゴムシ生後約3ヶ月です。順調に成長している感じです。ちょうど脱皮中のダンゴムシがいたので撮ってみました。残念ながら何回目の脱皮なのかはわかりませんが、下半身が一回り大きくなっているのがわかります。写真がアップなのもありますが、5mmは超えていて子どもというよりはもう小さな成虫といった感じです。

約4ヶ月(120日)後…ま、孫が産まれた

ダンゴムシ(生後120日)
生後4ヶ月のダンゴムシとその子ども

なんと、生後約4ヶ月のダンゴムシが子どもを産みました。成虫より体が小さいためか、十数匹くらいしか赤ちゃんは見つかりませんでした。同じ時期に産まれた子どもしか入れていないケースでの出来事なので、子ども同士で繁殖したということになります。写真は仲良さ気ですが、これは演出で、実際は親は知らんぷりで子どもの世話をすることはないようです。

約5〜6ヶ月後

ダンゴムシ(生後150日と180日)
生後5ヶ月(左)と6ヶ月(右)のダンゴムシ

先月子どもが生まれ、もう立派な大人となったダンゴムシの子どもですが、大きさはまだ9〜10mmほどです。大きさ以外は成虫とほぼ同じですが、お腹側はやけに白っぽく、まだ何となく出来立てのような雰囲気を感じます。

誕生後半年〜1年まで

約7〜8ヶ月後

ダンゴムシ(生後210日と240日)
生後7ヶ月(左)と8ヶ月(右)のダンゴムシ

生後約210日後と240日後のダンゴムシです。季節は冬になります。あまり活発でないためか、大きさは変わっていません。

約9ヶ月(270日)後

ダンゴムシ(生後270日)
生後9ヶ月のダンゴムシ

ダンゴムシ誕生後9ヶ月です。冬のせいか特に変化はありません。マンネリ気味なので団子3兄弟風にしてみました。

約10〜11ヶ月後

ダンゴムシ(生後300日と330日)
生後10ヶ月(左)と11ヶ月(右)のダンゴムシ

季節的にだんだん暖かくなってきて、ダンゴムシの活動も活発になってきました。たぶん脱皮をしたのでしょう、少しだけ大きくなったように思います。

祝1歳、誕生後12ヶ月(360日)のダンゴムシ

ダンゴムシ(生後1年)
生まれたてのダンゴムシと1歳のダンゴムシ

誕生後1年経ったダンゴムシです。体長は約11〜12mmに成長しました。比較できるように生まれたてのダンゴムシの画像も入れてみました(縮尺は甘そうですが…)

1歳のダンゴムシは人間に例えると大体20歳くらいになるでしょうか。もう立派な成虫といっても良いでしょう。子どもを生んだ個体もいますし、孫を持つ個体もいるかもしれません。