ダンゴムシは害虫か益虫か論争の結論

ダンゴムシは害虫なのか益虫なのか、双方の意見について考えて結論を述べています。

害虫、益虫とは

害虫の例
害虫の例

ある虫が害虫か益虫かは、人(あなた)に害を与えるか益をもたらすかで決まります。害虫にはいくつかの種類があります。

衛生害虫
衛生面に害を及ぼす(血を吸う蚊、毒針を持つ雀蜂など)
農業害虫
農作物に害を及ぼす(稲を食べるバッタ、米を食べる穀象虫など)
不快害虫
心理的に害を及ぼす(でかいアシダカグモ、気持ち悪いゲジゲジなど)

益虫とは蚕や蜜蜂、ミミズやヤモリなどなんらかの形で人間の役に立つ虫をいいます。また不快害虫に対しては、よく飼育されているクワガタやきれいな印象を持つアゲハ蝶などは益虫といって良いかもしれません。

衛生害虫ではない

ダンゴムシは噛みませんし毒針なども持っていませんので人間に衛生面で害を与えることはないといえます。

また、室内に進出して、置いておいた果物を食べたり三角コーナーを漁ったりということもしませんので、基本的にはダンゴムシは衛生害虫ではないといえるでしょう。

ただ、彼らのすみかは一応土壌中などなので、いじったあとは念のため手を洗ってください。あとはできれば舐めたり食べたりは避けてください。

※どうしてもという場合は炒るなどの加熱殺菌をしてください。もちろん自己責任で!

農業害虫である

ダンゴムシは新芽を食べます。「ダンゴムシの二階建てケースをつくろう」で2階建てのケースを作りましたが、そこに拾った小枝を階段の代わりに立てておいたところ、土の栄養が良かったのか単に水を吸ったからなのかはわかりませんが、なんと芽が出たことがありました。そのときにかじりついてよく食べていたので、彼らは柔らかい葉であれば食べるのだと思います。そして花も食べるようです。

また、えさとして与えたくず野菜などもよく食べるので、農作物に対しては食害を与え得る害虫といえます。

ただし、実際に畑などで農作物がダンゴムシによって被害を受けたという話はほとんど聞きません。ダンゴムシの主食は枯れ葉であり、さらに彼らは耕されて開かれた場所よりも、落葉の陰や湿った場所を好むので、わざわざ畑に進出して農作物を食い荒らすなんてことはしないのかもしれません。

ケースバイケースだと思いますが、たとえば庭で育てている花壇の作物の芽が食べられてしまうなどといった被害を受ける可能性は考えられます。

農業益虫でもある

その一方でダンゴムシは一応、枯れ葉を食べて消化し糞として土に還すので、土壌中の有機物の分解を担う益虫という面も持っています。

ただ、その貢献度はそこまで高くないと思います。庭の枯れ葉をダンゴムシに頼って放っておけるほどの威力はないでしょうし、またダンゴムシのおかげで劇的に土壌改良できるほどでもないでしょう。つまり駆除して撲滅しても困らない程度です。

不快害虫かどうか

個人的にはもちろん不快とは思いませんが、世の中にはゴキブリを飼育している方もおり、また猫を嫌う方もいるわけで、ではダンゴムシは一般的にどうなのかと考えると、これはちょっと実際のところはわかりかねる問題で、その答えは個人それぞれ違うということなので、ご自身に問いかけてみてください。かわいいですけど。

結論

農業的に実害があるのかどうかと、不快に思うかどうかで異なります。

農業的被害があり不快であれば、ダンゴムシは害虫です。駆除して撃退してしまっても困ることはないと思います。異常発生というわけでないなら殺虫剤より忌避剤をおすすめします。

不快ではないが農業的被害がある場合も害虫ではありますが、なんとかやさしい対策をもって作物を守ってください。(枯れ葉を貯めてそこへ誘導する、台やカバーによって作物にアクセスできないようにする、飼う、など)

農業的被害が無く、単に不快だからという場合も害虫になりますが、下を向いて歩かなければ大丈夫でしょう。

農業的被害が無く、不快でも無い場合は、ダンゴムシはあなたにとって完全な益虫となるでしょう。