ダンゴムシ vs 暴君ハバネロ
ある日、シャワー中などにダンゴムシのことを考えていたわけですが、彼らはわたしたちと同じ雑食性であり、今までどんなものを食べるのだろうかと思っていろいろな食べ物を与えて観察してきました。(参考「ダンゴムシの食べ物。定番のえさとランキングとおすすめ」)
その中で少し驚いたのがお菓子のカールチーズ味を食べたということでして、彼らはお菓子をふつうに食べるのか、それともチーズ味だったから食べたのかとふと疑問に思いまして、ではチーズ味ではない別のお菓子を与えてみようと考えついたところ、ちょうど食べたくて購入してあった「暴君ハバネロ」を実際にダンゴムシに与えてみた、というのが今回の記録です。
「暴君ハバネロ」とは
「暴君ハバネロ」とは10年以上も前に登場している辛さが売りの人気のお菓子(シリーズ)です。パッケージにはその過激な辛さに対してある種の恐怖心を煽るような、かなりホラー系ともいえるキャラクターが怒っている表情で描かれています。なお、今回購入してあったのは厳密には「帰ってきた暴君ハバネロ」であり、どこかに行っていたのかもしれません。栄養成分は炭水化物が約6割、脂質が約3割で、主な原材料が乾燥ポテト、つづいて植物油脂、赤唐辛子、食塩などとなっています。
577,000スコヴィルの辛さ
商品のウェブサイトには「激辛」「577,000スコヴィル」「攻撃的」などといった、辛さを強調するフレーズがずらりと並んでいて、人気の秘密はやはりその辛さにあることが伺えます。ちなみに、今回はじめて知ったのですがスコヴィルというのは唐辛子の辛さの単位だそうで、57万といえば暴君つながりのフリーザよりも辛い(フリーザの方が辛い可能性もありますが)のではないかと思わせるような数値です。果たしてダンゴムシたちはそんな暴君ハバネロに対してどんなバトルを見せてくれるのでしょうか。
人間の反応
とりあえず食べてみたところ、たしかに577,000スコヴィルくらいの辛味だと思いました。辛いのは好きなので美味しくいただけましたが、数分後には汗が出てきてハァハァしながら食べていたくらい辛(から)かったです。その辛さがあとをひいて止まらず、ひと袋をあっという間にたいらげてしまいました。
ダンゴムシがもしこんな辛いものを食べたら、と考えただけでもぞっとします。もしかしたら発汗によって乾燥死してしまうのではないか・・・などという心配も頭をよぎりましたが、いつだかは赤唐辛子も食べていたことだし、そもそもそんな危険なものくらい自分で判断できるだろうなと思って、さっそく取っておいた一つをえさ場に投入してみました。
ダンゴムシの反応
セットした直後にはとくに何の反応も示していませんでしたが、これはいつも通りの反応です。しばらく時間を置いてもう一度観察してみたところ、驚くべきことに何匹かが食いついていました。しかも美味しそうに・・・。ぜんぜん辛そうではないなぁなどと思いながらしばらく眺めていました。その後も何匹かが順番に食いついてきていたように記憶しています。
さて、冷静になっていろいろ考えてみると、人間とダンゴムシの味覚が同じわけがないし、彼らは変温動物でありわたしたち哺乳類や鳥類とは体温調節の仕組みだって大きく違うだろうから、そもそも汗なんてかかないのだろう。そういえば彼らの背中表面のクチクラは水分の蒸発を防ぐ役割もあったのではなかろうか。
とはいえ相手は暴君ハバネロであり、わたしたちの感覚からすると、ダンゴムシごときがどうこうできる相手ではない、と勝手にどこかで思っていたので、ちょっとびっくりしました。
結果
およそ24時間後、壮絶なバトルが繰り広げられたであろう戦場には、写真のとおりボロボロになってしまった暴君ハバネロが息も絶え絶えに横たわっていました。湿気を吸ったこともあり、へなへなしてしまって見るからにヤラレターという感じで、これはもう甘そうですらありました。もう1日置いておけば完食できるのではないかと思うくらいの食べっぷりでした。辛味成分が分解されるまでにダンゴムシを食べたら、きっと577,000スコヴィルくらい辛いのでしょう。
冗談はさておき、結論としては「よく食べた」ですが、えさとしては少し匂うので微妙です。美味しいので自分で食べた方が良いでしょう。